絵津鼓先生の「メロンの味」の紹介と感想レビュー記事です。
全2巻(上下巻)で完結済み!
炭酸が効いているわけではなく、ホイップクリームやキャラメルで甘く味付けされているわけでもない、コクのあるコーヒーを飲むようにゆっくりと腰を落ち着けて読みたい漫画です。
こんな方におすすめ
- 絵、ストーリー重視の人
- エモーショナルな世界観が好きな人
- 打ち解けていく過程をゆっくりと楽しみたい人
ぬっこの書房 独自評価
エロ・濃厚度 | 3.5 |
ストーリー展開 | 5.0 |
キュン要素 | 4.0 |
お笑い要素 | 3.0 |
ラブラブ度 | 4.0 |
心情描写 | 5.0 |
キャラクターの魅力 | 5.0 |
絵の上手さ | 5.0 |

何か事件があるわけではなく過激なエロ描写があるわけでもないけれど繊細でリアルな二人の関係から目が離せませんでした。特にキャラクターの心情描写が素晴らしいです。
エロ描写は多くは無いけれどリアリティーのあるエロスがあり個人的にはかなり刺さっております。

表紙がすでにエモーショナル。
本当なら紙で買って本棚に飾っておきたいぐらいです。
2巻の表紙も素敵です!
ジャンル
- 同居
- ラブストーリー
- シリアス
1巻あらすじ
「俺 ナカジョーくんがいい!」
ライブハウスで働く中城と常連客の木内。
ふたりの同居は急だった。
木内は同棲していた彼女と別れたばかりで
しばしの寝床を探していたとのこと。
さらには人肌がないと眠れないから
一緒に寝たいと言う。
自分はゲイだと明かして断ろうとする中城。
だが、「いいよ!」と言い切られてしまい…引用元:Amazonkindleストア
カップリング
中城
黒髪のごく普通の青年。
ゲイ。繊細で優しい。
木内
チャラそうな青年。
繊細で優しい。

二人ともが繊細で優しいから読んでいて心がほろっとなる・・・
注意ポイント
ここから先はネタバレが含まれますのでご注意ください。
特にネタバレとなる場合はこちらを記載しております→※ネタバレ注意!!
感想・レビュー
漫画らしい起承転結や関係が進展するような事件などは目立って無い。
でも、だからこそリアルで読んでいる側の私たちが共感しやすく、二人の何気ないやり取りが心に来るのではないかと思います。
また、セリフなどの文字がない描写だけのシーンが多く、読み手に物語を想像させるような余白があってエモさが引き立つ作品です。
最後の最後まで作品のあえて描き切らないことを徹底しているのですっきりとした読後感と言うよりはじんわりと心にくる読後感で私としてはとても好みでした。
ここが性癖に刺さる
リアリティーのあるエロさに刺さる
お互いに確認をとりながらゆっくりと進んでいくため読者からしたら焦らされている感覚になるけれど、だからこそエロティックな雰囲気になるとドキドキが増します。
また、ごく普通の青年同士である二人のやり取りにリアリティーがあって、
過剰な演出や過激なプレイはないのでバッと盛り上がるようなエロスはないのですがじんわりと染みるようなリアルなエロスにキュンとしました。
推しポイント
※ネタバレ注意!!
心情描写が素晴らしい
上巻p.75で木内がクリームソーダについて偽物なのにメロン味と皆の中で定着しているのがうらやましいと言っていましたが、過去を捨てきれず音楽の道をあきらめきれずにいるからこそ「うらやましい」と思ったのだと思います。
最初こそ何を考えているかわからない木内でしたがどんどん彼の繊細な部分が見えてきてとても共感しやすく好きなキャラになりました。
直接的な表現はしない二人の関係がエモい
\特にここがやばい!/
🍈下巻 p.139~149
自分で自分のことちゃんと大事にしてたら大事にしてくれる人と絶対出会えるから!!
引用元:「メロンの味」(上)p.73
上巻で中城の話をきいて木内が自分のことのように熱くなった場面がありました。
このままの自分を愛してくれる人を望んでいた二人ですが「大事にしてくれる人」が木内にとって中城、中城にとって木内だったということをお互いに「好き」という言葉を使わないで表しているのがとても印象的でした。
🍈下巻 p.156~160
屋上で語り合う最後の場面。
全て解決!で終わらせるのではなく、少しずつ良い方へ進んで行っているのだと感じる演出で好きでした。
最後の探り合う感じの二人の会話からの流れ・・・
直接的なことは言わなくても二人の気持ちはとても伝わりましたしうるっときました。

二人はこれからなのね、と感じられる最後がとてもいい!
想像力を掻き立てられます。