中村明日美子先生の「薫りの継承」の紹介と感想レビュー記事です。
全2巻(上下巻)で完結済み!「同級生」シリーズとは対極にある本作ですがこちらの方が好きだというファンも多い、暗くシリアスなストーリー。
コマ割りや演出は言うことなしの高水準!
「分かりやすい作品」ではないからこそ深く読みたくなるので小説好き+BL好きな人にはとても刺さるのではないかと思います。
こんな方におすすめ
- ストーリーを重視したい人
- 官能的な作品が読みたい人
- 暗い世界観のお話が好きな人
ぬっこの書房 独自評価
エロ・濃厚度 | 5.0 |
ストーリー展開 | 5.0 |
キュン要素 | 1.0 |
お笑い要素 | 0.0 |
ラブラブ度 | 3.0 |
心情描写 | 4.0 |
キャラクターの魅力 | 3.5 |
絵の上手さ | 4.0 |

エロ・濃厚度もさることながらストーリーと演出がずば抜けて凄い!
試し読みで「絵はちょっと苦手だな」と思っていたのですがそんなこと気にならないほど、むしろこの絵だからこそ表現できる暗く耽美な世界観に最初から最後まで没頭してしまいました。
ジャンル
- 兄弟
- 年下攻め
- 社会人
- シリアス
1巻あらすじ
比良木忍は兄といっても、血の繋がりはない。義理の兄だ。竹蔵は後妻の連れ子として、比良木家に迎えられた。兄はいつも冷たく汚物のように、竹蔵を見下す。深い嫌悪と憎悪に満ちた射殺すような視線。毎日毎時毎秒、兄に殺され続けていた。竹蔵は兄に欲情していた。ある晩、竹蔵は正体を偽って兄の寝室に忍んだ。義姉の香水を身につけ、兄の目を覆い隠す。そして、己の欲望の猛るままに兄の体を貫いた……。義理の兄弟、禁断の愛と確執を描いた衝撃作。
引用元:Amazonkindleストア
カップリング
比良木 竹蔵
弟(攻め)
創作フレンチの経営者。
兄の忍から日々鋭い視線ときつい言葉を浴びせられている。
後妻の連れ子として比良木家にやってきた。
比良木 忍
兄(受け)
社長。エリート。
弟の竹蔵にきつく当たっている。
比良木 要
忍の子
名前の通りこのストーリーの「要」となる存在。
感想・レビュー
アブノーマルな本作でしか味わえない味がある!
- 重要な人物以外の顔がほとんど描かれない
- 過去と現在を行き来しながら進むストーリー
これらが1度読んだだけでは理解しきれない読み解く際の難しさにもつながっているのかもしれませんが、独自性があってとても好きな演出です。
過去と現在の行き来も話がプツプツ途切れることなく流れるように進むので心地よく、まるで私自身も「薫り」に誘導されているかのようにストーリーの中に入っておりました。
注意ポイント
ここから先は上下巻のネタバレになりますのでご注意ください。
まだ読んでいない人は純粋にストーリーを楽しんでいただきたいのでこれから先は読まないことをおすすめします!
ここが性癖に刺さる
「目隠し」がとても官能的!
この「目隠し」もプレイとしてではなく背徳感から目を背けるための道具として使っているという点も刺さりました。
とってつけたようなプレイではなく官能的でシリアスな本作の雰囲気を壊さずに「目隠し」を取り入れる方法が天才的です。

普段きつく当たっている弟に対して身体を求める方法が‟目隠しをしてただ待っている”なんて・・・
忍らしくもあり、心の内を想像するとすごく萌えます。
推しポイント
危険で官能的
関係性だったりやること全てがアブノーマルな本作ですが、危険なエロを楽しみたい人はもちろん、そうじゃない人も新たな扉を開いてしまうような魅力のある漫画です。
\特にここがやばい!/
上巻 P28~37、P149~168
レビューを見ていると嫌悪感を抱いている人も多かった‟要が見ている前で父である忍を犯す場面”。それから3P。
一番の見せ場であり「薫りの継承」という作品においてもかなり重要な場面です。
私は読んでいてあの場面のコマ割りや目線、それから3人の心情を想像してとてもドキドキしましたし、「これはフィクション」と割り切れるタイプなのでただただ興奮しながら読みました。