amase先生の「蛍火艶夜」の紹介と感想レビュー記事です。
とんでもないBL漫画が現れた、と思いました。
現在1巻まで発売されておりますがオムニバス形式なので続きを気にせず読むことができます。
読んだ後しばらく放心状態になるぐらい魂が揺さぶられる本作。シリアスな作品好きには是非一度読んでほしいです。
こんな方におすすめ
- エロもストーリーも重視したい人
- 戦争・特攻隊がテーマになっている作品を読みたい人
- 深みのあるヒューマンストーリーが読みたい人
ぬっこの書房 独自評価
エロ・濃厚度 | 5.0 |
ストーリー展開 | 5.0 |
キュン要素 | 4.0 |
お笑い要素 | 3.0 |
ラブラブ度 | 4.0 |
心情描写 | 5.0 |
キャラクターの魅力 | 5.0 |
絵の上手さ | 5.0 |

絵が凄く好み!
戦時中、特攻隊員同士の恋愛というもの凄く重いテーマでありながらそれぞれのキャラクターが魅力的で心が和らぐような瞬間もあり、とても読みやすかったです。
性描写の表現はもう圧巻!!臨場感を感じます!
ジャンル
- 特攻隊
- シリアス
- オムニバス
- ガチムチ
- 雄っぽい
1巻あらすじ
「このえり巻
先に特攻で逝った人から貰ったんです」1945年3月、徳島。
報道の為、特攻隊の写真を撮影に来ていたカメラマンの淀野は、田中志津摩一飛曹の朗らかな笑顔に惹かれながらも、彼の運命を思い、うしろめたさを覚えてしまう。
ある晩。
不意に淀野のもとを訪れた志津摩。
話し込むうちに、レンズ越しには見えなかった深淵が――。(『田中志津摩一飛曹編』)
時は第二次世界大戦末期。苛烈な争いのなか、國の為、自らの命を武器に闘うべく募られた特別部隊。“神風特別攻撃隊”――……。
焦燥、憧憬、苦慮、希望、そして慕情。引用元:Amazonkindleストア
因みに・・・
単行本には「【読切】どうして波瀬は笑ったか」(16頁の特別描き下ろし)が収録されていますがこちらは本編の余韻がかき消されてしまうくらいダークなお話。私はラストの展開に息を吞んでしまいましたがかなり好みが分かれそうではあります。
少なくとも本編を読み終えた後、少し時間を空けてから読むことをおすすめします!
(ダークなお話が苦手な人は単話で読むのもいいかもしれません)
カップリング
田中志津摩一飛曹(第1話)
従軍カメラマン✕人懐っこい少年搭乗員
橋内和中尉前編・後編(第2話・第3話)
ノンケの新人整備兵✕特攻を控えたベテラン搭乗員(第4話・第5話・第6話)
八木正蔵中尉前編・中編・後編
周りから怖がられている上官搭乗員✕無邪気な部下
注意ポイント
ここから先はネタバレが含まれますのでご注意ください。
特にネタバレとなる場合はこちらを記載しております→※ネタバレ注意!!
感想・レビュー
とても艶やか!そして抒情的!
分冊版の表紙を見た瞬間からこの漫画はただものではないなと感じておりました。
重いテーマでありながらも暗くなりすぎず、とても読みやすい内容。時代も違えば特攻隊員にも馴染みはありませんが臨場感ある表現に没入してしまいました。
読み終えた後は感情の持っていくところが見つからず、ひたすら泣いた後放心状態になりました。
特攻隊の男たちの命の灯が揺らぐ日常を抒情的にとても艶やかに描かれており、シリアスな作品好きの私にはとても満足な内容でした。

濃厚なエロさの後に号泣したのは初めてでした💦
ここが性癖に刺さる
石と石をぶつけて火花を飛ばしているような男たちの激しい性描写は読んでいる側も思わず息が上がってしまうような臨場感があります!
情、後悔、葛藤、渦巻く思いをぶつけ合っているような、また、まっすぐに相手を想う気持ちをどうにか伝えたいという気持ちが込められているような感じがして、単純なエロさだけではない深さがありました。
またその表情には艶っぽさもあり、重いテーマの中でもグッと惹きつけられるものでした。
推しポイント
この絵柄だからこそいい!
好き嫌いが分かれる絵柄かもしれませんが、私は試し読みでamase先生のこの「絵」を見て『絶対にただものではない漫画だ!』と感じて購入に至りましたがやはりただものではなかった!
絵柄が時代背景やストーリーにマッチしており、何よりあの臨場感ある性描写はこの絵柄じゃないと成り立たない気がします。
※ネタバレ注意!!
\特にここがやばい!/
第2話
橋内和中尉前編・後編(第2話・第3話)のキャラクター、ストーリーすべてが切なく美しいお話で本当に大好きです。
おっ・・・俺は・・・ただ貴方の思い残しを一つでも減らしたくて・・・!
引用元:「蛍火艶夜」、第2話より
この言葉にグッときました。
この夜の二人の気持ちは痛いほど伝わってきますしその後、セックスに夢中になるところまでの流れに心が湧きたつような感覚でした。
思いやりがあって少し抜けているような二人だからこそ" if ”を考えずにはいられません。